【ムルマンスク(ロシア)】北極海の氷が減り続けていることで、数世紀前にさかのぼるロシアの夢が実現に近づいている。世界貿易でロシアを新海運ルートの中心に据える可能性を秘めた同国北方海域の航路「北極海航路(NSR)」の確保だ。  ここ何年かの気温が記録的な高さだったことで、ロシア政府は極北の国際海運ルート確保という、多くの論争を抱えた計画の実現に近づいている。この計画は、米国の意に添わないもので、中国との間でも摩擦を生む可能性がある。米中両国もまた、北極圏開発の構想を持っているからだ。  北極圏の温暖化は、世界の他地域の2倍の速さで進んでいる。