Photo by frank mckenna on Unsplash日本でも被害が増えている国際ロマンス詐欺とは……? Photo:frank mckenna on Unsplash

ある日、海外の異性からメッセージが届き、何となくやりとりする中から恋に落ちる――そんな映画のような出会いから始まり、最後には大金を奪われるという「国際ロマンス詐欺」が流行しています。いわゆる結婚詐欺と同様、1人当たりの被害額が非常に大きいのも特徴。失うお金の額が多い上に、心にも深い傷を負う国際ロマンス詐欺。今回はその手口と被害、対策方法を紹介します。(NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事 柳谷智宣)

 我々、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)には日々、国際ロマンス詐欺を仕掛けられている人たちから相談が寄せられます。詐欺が進行中であればアドバイスもできるのですが、お金を奪われてからだとどうしようもないことがほとんどです。

 数十年かけて貯めた1000万円以上の貯金をすべて持っていかれた上に、数百万円の負債を抱えた方の相談を受けているときは心が痛かったです。猛烈に怒り復讐したいという方から、死にたいという人まで、被害者の思いはさまざま。このように国際ロマンス詐欺は、金銭以外の傷痕も深く残します。

最も被害にあっているのは40~69歳

 2021年6月8日、兵庫県警や栃木県警などの合同捜査本部は国際ロマンス詐欺の疑いでカメルーン国籍の男を逮捕しました。容疑者は兵庫県の小学校で英語の講師をしており、被害者の60代女性から5回にわたって418万7000円を奪ったのです。さらに、容疑者が管理する22個の口座には1億2500万円以上が振り込まれていました。

 国際ロマンス詐欺とは、ネット上で交流を深め、相手を口説き落とし、恋愛関係になってから金銭をだまし取るネット詐欺です。以前は、SMS(ショートメッセージサービス)をバラまいて反応した人をターゲットにしていましたが、現在はFacebookなどのSNSや、マッチングサイトでの出会いが主流になっています。