欧米では移動や旅行の制限が解除され始めているが、昨年、新型コロナウイルスの大規模な流行を防ぐことができたアジア諸国では、多くの政府が長期的な制限の継続に甘んじているように思われる。だが、シンガポールではそれが変わるかもしれない。シンガポールの財務相、貿易・産業相、保健相は先週、ストレーツ・タイムズ紙上で、新たな方針の概要を発表した。シンガポールは今後数カ月をかけ、積極的な接触者の追跡や隔離によってウイルスを完全に排除し、感染拡大を抑えようとするのではなく、「コロナと生きる」戦略へと徐々に移行する。シンガポールはアジア諸国の中で、中国と並び、急速なワクチン接種を実現した数少ない国の一つだ。アジア太平洋地域の先進国のほとんどはかなりの後れをとっている。6月21日時点で、100人当たりの接種回数は、シンガポールが86回なのに対し、オーストラリアは26回、香港は44回、日本は28回だ。
「コロナと生きる」シンガポール、アジアの範となるか
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