3位、9位はソフトバンク系列の企業

 3位はソフトバンクグループで1389.4万円。「携帯電話事業はそんなにもうかるのか」と一瞬驚くかもしれないが、これは携帯電話事業を手掛ける「ソフトバンク」とは別の会社である。

 ソフトバンクグループは、グループ全体の投資事業をメインに行う会社で、社長は孫正義氏。従業異数は単体で224人と比較的コンパクトな企業だ。一方、通信事業を主力事業とするソフトバンクの従業員数は1万7299人で平均年齢は39.7歳、この年収ランキングでは40位に入っている(782.1万円)。ソフトバンクの社長は、今年1月から宮川潤一氏が務めている。

 5位は野村総合研究所で、1235.2万円。目を引くのは6353人という従業員数の多さだ。本ランキングで1000万円以上の平均年収を支払えている会社のうち、単体で従業員が1000人以上いる大企業は2社しかない。

 6位はテレビ朝日などを擁する朝日放送グループHD(1229.4万円)、7位は名古屋市に本社を持つ中部日本放送(1150.4万円)と、いずれもテレビ局。

 8位はジャストシステムで、1145.2万円。古くはATOKや一太郎、現在はスマイルゼミなどの教育教材などで知られ、日本のIT企業としては老舗である。

 9位のZ HDは、平均年収が1105.3万円。Z HDは、ヤフーが2019年に持ち株会社に移行して名前を改め、LINEと経営統合してできた企業で、こちらもソフトバンク傘下の企業である。

他業種に比べ、年収が高い企業が多い

 10位は日本オラクルで、1069.4万円。このほか、11位のWOWOW、12位の三菱総合研究所までの12社が、平均年収が1000万円を超えている。

 なお今回年収が800万円を超えた企業が37社、700万円を超えた企業が84社あった。本連載ではさまざまな業種の企業の平均年収をランキング形式で紹介しているが、他の業種に比べて、これはかなりの高収入といえる。コロナ禍でも、情報・通信企業は業績が伸びている企業が多いだけに、来年以降もしばらくは好待遇が続きそうだ。

(ダイヤモンド編集部 吉岡綾乃)