100年前の日本の人口ランキング各都道府県の人口はどう変わった? Photo:PIXTA

第1回国勢調査のデータをもとに1920年当時、人口が多かった都道府県をランキングした。1位は東京、2位は大阪だったが、それ以外は現在と大きく異なっていた。
※本稿は、浅井建爾著『教養としての日本地理』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。

 総務省統計局では5年ごとに国勢調査を行っている。その第1回が1920(大正9)年に実施された。それによると日本の総人口は5596.3万人。現在はその約2.3倍に増加しているが、県別の人口順位が大きく変わっている。

 第1位の東京から6位の愛知県までは、さほど順位に大きな変化はないが、1920年には7位だった新潟県が15位に、長野は8位から16位へ、鹿児島は11位から24位へ、島根は36位から46位へと大きく順位を落としている。いずれも農業県である。それに対し、15位の神奈川県が東京に次いで全国第2位へと大きく躍進したのをはじめ、千葉が14位から6位へ、埼玉が16位から5位へ、滋賀が42位から26位へと大きく順位を上げている。これは何を意味しているのかといえば、農業国だった日本が工業国に変貌を遂げた証しである。高度成長期の1960年代に入ると、大都市圏への人口集中が一段と加速した。