ライブ・エイド「ライヴ・エイド」には、U2、クイーン、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、マドンナといった超一流アーティストたちが無料出演 Photo:Michael Ochs Archives/gettyimages

近年、メディアで頻繁に目にするようになった「SDGs(持続可能な開発目標)」。貧困や気候変動など世界が抱える問題解決を目標とするSDGs思考は、決して国や政府だけでなく、中小企業など一般的な企業にも欠かせない要素となりつつあります。いまや企業は業績だけでなく、社会的な貢献活動も注目される風潮があるからです。そこで今回は、“SDGs以前”から積極的に社会的な活動を推進してきた株式会社サニーサイドアップの代表取締役・次原悦子さんの著書『2030年を生き抜く会社のSDGs』(青春出版社)から、今話題のSDGsの原点についてひも解いていきます。

日本でも大流行した「ホワイトバンド運動」とは

 SDGsという言葉がまだなかった頃、私たちがはじめて会社として、自ら何かのアクションを起こしたのは、2005年の「ホワイトバンドプロジェクト」という貧困撲滅キャンペーンです。

 その年の春、私はある衝撃的な動画を見ました。イギリスBBCのウェブページで、キャメロン・ディアス、ブラッド・ピット、トム・ハンクスといったハリウッドスター、サッカー選手のデビッド・ベッカム、マイクロソフトのビル・ゲイツといった錚々たるセレブリティが、次々に指を鳴らしているのです。画面はモノクロ。彼らは全員白いTシャツを着て、白いリストバンド(ホワイトバンド)をしています。