欧州中央銀行(ECB)は8日、中期的なインフレ目標を現行の「2%弱」から「2%」に引き上げ、必要な場合にはこの目標を超過しても容認することを決めた。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年表明したような大きな政策変更には踏み込まなかった。ECBの政策見直しはほぼ2年ぶり。高インフレを懸念しがちなドイツなど北部諸国と、経済成長を重視するイタリアなど南欧諸国が歩み寄った格好だ。ECBはさらに、インフレ率の算出に住宅価格を織り込み、債券購入プログラムおよび付随的な枠組みを通じて気候変動対策を支援すると表明した。インフレ目標の引き上げは金融緩和の長期化を示すシグナルで、追加の景気刺激効果が生まれる可能性がある。
ECB、インフレ目標を引き上げ 中期「2%」に
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