デモ広がるキューバ、米政権もはや座視できずPhoto:Joe Raedle/gettyimages

【ワシントン】ジョー・バイデン米大統領は就任から6カ月の間、対キューバ政策をなかなか明確にしてこなかった。前任者が講じた渡航・送金規制の緩和へ大きく前進することもない一方、バラク・オバマ元大統領の和解策も否定していない。

 キューバでは現在、抗議行動が広がり、共産党政権が暴力的な取り締まりをしている。このために決断が迫られているかもしれず、バイデン氏は政治的に困難な見通しに直面している。

「どちらにせよ大統領の深い関与が求められる。介入することなく状況を放置する余裕があるとは思えない」と、マイアミを拠点とする民主党の世論調査員、フェルナンド・アマンディ氏は述べている。

 抗議活動は12日になっても続き、バイデン氏は「普遍的権利を行使するキューバの人々を米国は断固として支持する。キューバ政府に対し、人々の声を封じ込めようとする暴力を控えるよう求める」と言明。週内にさらなる表明を行うつもりだと述べた。

 バイデン氏のこれまでの外交政策課題は、中国とロシアへの対抗と欧州同盟国との再交渉で埋められていた。ドナルド・トランプ前大統領は2020年、フロリダ州のキューバ系米国人有権者の支持を獲得し、キューバ系政府への働きかけが国内政治的に危険であることが立証された、と政治アナリストは指摘している。