米連邦政府機関は、建国者たちが想像もしなかったような影響力を米国民の生活に及ぼしている。そしてその力は、ジョー・バイデン大統領の政権下でさらに拡大されようとしている。米連邦取引委員会(FTC)のリナ・カーン新委員長が先週示した前例のないほど強い権力掌握の動きを見てみるがいい。
報道機関は政府組織の運営管理よりも政治の方に関心を示すため、一連の出来事は大して注目されなかった。しかし、民主党系のFTC委員らが下した一連の3対2の表決は、FTCの伝統を覆すとともに、企業を苦しめる強大な力をFTCに与えた。
FTCは、事実認定や規定策定に関して以前から権限を担ってきた行政法審判長の役割を廃止した。今後は、カーン氏自身か、同氏が選ぶ人物が、この役割を担うことになる。これまではFTCが調査を開始する際には、FTC委員の過半数の賛成が必要だったが、民主党(系委員)はこの要件も廃止した。今後は、1人の委員の判断だけで調査が可能になる。召喚状もカーン氏の判断だけで出せるようになる。