今夏の東京五輪に参加する全ての国にとって最大のリスクは、たった1人の選手が新型コロナウイルスの検査で陽性判定を受けただけでも、チームの一部または全員が濃厚接触者とみなされ、出場できなくなることだ。そして最大の問題は、各国にはそうした事態を阻止する手段があまりなく、全ての選手の前に脅威が立ちはだかっていることだ。米国女子体操チームであろうと、ケニアのマラソン選手であろうと、セルビアのバスケットボール選手団であろうと、ジャマイカの陸上チームであろうとその可能性はある。19日間で339種目を開催する東京五輪の過密なスケジュールには、延期の余地は残されていない。先週末、コロナの陽性反応が出た1人の選手が他の選手を道連れにしてしまう可能性を示す事態が早速、オランダの体操代表団で発生した。オランダの体操連盟の広報担当者は選手とスタッフ全員がワクチンを接種していたとしているが、それでも日本への出発直前に1人が陽性と判定された。