米バイオジェンが開発したアルツハイマー型認知症治療薬候補「アデュカヌマブ」を巡り、複数の病院を運営するクリーブランド・クリニックとニューヨークのマウントサイナイ・ヘルス・システムが患者への投与を見送ることが分かった。同薬は米食品医薬品局(FDA)が先月承認した際に物議を醸していた。2社は治療薬の効果や、FDAが承認基準を引き下げたかどうかに関する議論が続く中、患者への投与はしないと述べた。クリーブランド・クリニックの広報担当者によれば、同院では多分野の専門家で構成された委員会が科学的証拠について検討し、結果としてアデュカヌマブを自社薬局で扱わず、患者への投与も実施しないことを決定した。また、広報担当者は、クリーブランド・クリニックの医師がアデュカヌマブを処方することはできるが、患者は外部施設で投与を受けなければならないとしている。