半導体の需給緩和見込むTSMC、地政学リスク消えずPhoto:VCG/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 ファウンドリー(半導体受託製造)最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は4-6月期(第2四半期)売上高が過去最高となり、今年に入り自動車メーカーを苦しめている半導体不足が緩和するとの見通しを示している。とはいえ、好調なチップ需要に支えられ、事業は引き続き順調となるはずだ。同社の最大の問題は、世界的な大企業や大国の政府など、多々ある利害関係者の需要のバランスをとることかもしれない。

 TSMCは今年の車載用マイクロコントローラー(マイコン)の生産量を前年比60%弱(新型コロナウイルス流行前の水準に比べると約30%)増加させることで、今四半期から自動車用半導体の不足が大幅に解消されるとしている。

 ただ、長期的なチップ需要の増加に変わりはないため、生産能力は逼迫(ひっぱく)した状態が続くと同社は考えている。第5世代移動通信システム(5G)やその他のコンピューティングアプリケーションには、よりパワフルでエネルギー効率の高いプロセッサーが必要となるためだ。TSMCは今年の売上高が20%余り増加すると見込んでいる。