半導体不足で価格転嫁、スマホにも迫る値上げの波グローバルファウンドリーズのシンガポール工場で製造されているシリコンチップ Photo: Edwin  Cheng for The Wall Street Journal

 世界的な半導体不足はノートパソコンやプリンターの価格を押し上げているが、スマートフォンなど他の売れ筋商品にも影響が波及する恐れが出ている。

 半導体業界が需要増加への対応と供給不足の解消を急ぐ中、半導体の主要材料やサプライヤーを通して雪だるま式に値上げの波が広がっている。このため、世界の大手半導体メーカーの多くがパソコンなどの端末メーカー向け価格を引き上げている。業界関係者からは値上げが続く可能性を指摘する声も聞かれる。

 消費者も負担を感じ始めている。一部ノートPCの人気モデルはここ2カ月で価格が上昇し、小売店ではその他の電子機器も値段が上がっている。価格追跡サイトのKeepaによると、台湾のPC大手、華碩電脳(エイスーステック・コンピューター)によるビデオゲーマー向けのノートPCはアマゾン・ドット・コムでベストセラーとなっているが、今月に入り900ドル(約9万9200円)から950ドルに値上がりした。HP製のノートPC「クロームブック」の価格は6月初頭に250ドルとなり、それまでの220ドルから上昇した。

 バーンスタイン・リサーチによると、HPはここ1年で消費者向けPC価格を8%、プリンター価格を20%超それぞれ引き上げた。HPのエンリケ・ロレス最高経営責任者(CEO)はこうした値上げについて、部品不足によるものであり、コスト増を反映してさらに価格を調整する可能性があると述べている。

 他のPCメーカーも同様の見解を示している。デル・テクノロジーズのトマス・スイート最高財務責任者(CFO)は最近の決算発表に伴う電話会見で「部品コストの上昇を考慮しつつ、適切に価格を調整する」と述べた。また、エイスーステックのある幹部は5月、部品コストの上昇を価格に反映させていると明かしていた。