ひろゆきが語る「ネットに批判コメントを書き込む人に言える、たった1つのこと」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

ここ20年間、変わらないこと

――最近、ネット上が燃えていますね(笑)。

ひろゆき氏:良いことですよね(笑)。僕、2ちゃんねるの管理人をしていたし、ニコニコ動画の取締役もしていたので、炎上とか批判コメントをここ20年以上、ずっと見てきたんですね。

 今だったら、日本人の怒りの矛先が、「コロナ対策」や「オリンピック関連」など、政府やメディアに向いておかしくない状況だと思うんですが、まったく無害な存在の僕にも多少向いちゃっていることは、それはそれで平和で喜ばしいと思います。

――いつもと変わらないテンションですね。

ひろゆき氏:ええ。批判コメントを書く人は、「全体の1~10%の人」なんですよね。90%以上の人は、「ただ見ているだけ」です。僕はネットの裏側の数字をずっと見てきましたが、この数字は20年以上変わりません。一部の人がたくさん時間をかけて書き込んでいるだけです。

 その特徴はたった1つで、「ヒマな時間とエネルギーを持て余している」ということです。少なくともネットに書き込み続けている時間は、友達や家族と一緒に過ごすことも、趣味に打ち込むこともしていません。僕のYouTubeは、ニートや、働かない子ども部屋おじさん&おばさんの「暇つぶしコンテンツ」ですから。まともに働いている人を最初から相手にしていないので、そのエネルギーをぶつけやすいと思いますよ。

「ひろゆきって誰だよ(笑)」が正しい反応

――いい標的みたいになっていますね。

ひろゆき氏:そうやってエネルギーを使い果たしたら、また他の標的を探すことでしょう。人間って、何もせずにダラダラ過ごすのも難しいですからね。刺激を求めて、スカッとストレス発散するような行動が必要です。そのために、コメントの書き込みはうってつけのツールですよね。

 日々、まともにちゃんと働いている人は、僕の炎上のことなんてどうでもいいはずです。僕の動画も見たことないと思いますし、何が起こっているかも知らないでしょう。知ったところで「どうでもいい」「ひろゆきって誰だよ(笑)」というのが正直な感想でしょう。

 人気を売りにしてCMで稼いでいるタレントや、子ども向けに良心的なコンテンツを作っているYouTuberなら、炎上はマイナスに働きます。でも、僕の場合は、日々やっていることに影響がないんですよね。

――批判に耐えられずにSNSをやめる人もいますよね

ひろゆき氏:メンタルがやられてしまうタイプの人は、SNSはやめたほうがいいですよね。「暇つぶしでやってる」と割り切れる人たちだけでやるのが本来のネットの本質です。

 2000年代に、ネット上で正しい言論空間を作ろうとした人たちがたくさん現れましたが、結局、すべてうまくいっていません。コミュニティを作ったり、出版に切り替えたりなど、「閉じた関係づくり」の方向に行きましたよね。

 インターネットなんて、元からそういう性質のものなので、希望を持ったり期待なんかせずに、ほどほどに付き合ったほうがいいですよ。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。