現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
どんどん集中が削がれます
――ひろゆきさんは「集中力」はあるほうですか?
ひろゆき氏:どうでしょう。「気が散ってしょうがない」という経験はあまりないですね。
――何か気をつけていることってありますか?
ひろゆき氏:注意散漫になるような状況に身を置かないことですよね。たとえば、受験でテストを受けるときに、1人だけ人混みのうるさいところで受けさせられたら不利ですよね。それって、気がそがれる音がするだけでなく、「人が動いている」「誰かの視線がある」という状況に置かれていることが悪いわけで、その人に「集中力があるかどうか」は無関係です。
「静かなところで気が散るものがない」という環境づくりのほうが重要ですよね。だから、僕は絶対に壁にポスターとかを貼らないんですよね。
――ポスターですか?
ひろゆき氏:はい。好きなアイドルとかをいつでも見られるからトクだという人がいるんですが、絶対にやめたほうがいいですね。人間って「視線」を感じると、パフォーマンスが発揮できないんですよ。勉強にも仕事にも集中できないですよ。
「注意資源」を大事に
ひろゆき氏:よく、自宅よりカフェとかのほうが集中できるという人がいますよね? あれって、近くに人の気配があるほうが、サボりにくいという性質を利用しているんですね。でも、カフェにいる人は、「あなたのことを注視していない」。だから、ちょうどいいんですよ。
だから、自分のことを見ているようなポスターや写真は、絶対に壁に貼らないほうがいい。貼っているだけで、どんどん自分の力が下がっていきますから。1つもトクすることはないですよ。
――たしかに、人ってつい目を見てしまいますからね。
ひろゆき氏:はい。遺伝子レベルでそうなっていますから。個人の努力じゃ防ぎようがないです。同じような理由で、机にものを置かないほうがいいですし、作業中は視界に何かが入らないほうがいいですよね。ポスターに限らず、予定表を目の前に貼るような人もいると思いますが、それもやめたほうがいいと思います。
「注意資源」という概念があって、人は1日に認知できるリソースが限られていると言われていますからね。横にある読みかけの本を見て、「ああ、これまだ読んでないな……」と思ってしまうだけで、注意資源は奪われてしまっています。「やるべきことは見えるようにする」というのは、じつは間違った考え方なのかもしれませんよね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。