1位はM&Aキャピタルパートナーズ
推計40歳年収は2321.9万円

 栄えある第1位に輝いたのは、M&A(企業や事業の合併・買収)の仲介サービスを手掛けるM&Aキャピタルパートナーズです。推計40歳年収は2321.9万円!今回唯一の2000万円超えを達成しました。

 M&A仲介企業はこの「40歳年収が高い会社ランキング」でも上位の常連。例えば、同業のGCAは2017~18年版の同ランキングで1位に輝き、19年版でも2位に食い込んでいます。なお、GCAは19年7月にM&Aアドバイザリー業務を新設子会社に承継。純粋持ち株会社体制に移行して従業員がいなくなったため、20年版以降はランキングから姿を消しています。

 そのGCAの他にも、日本M&Aセンターやストライクといった会社が毎年、ランキング上位に名を連ねます。

 今回1位に輝いたM&Aキャピタルパートナーズのホームページによると、同社の従業員の給与は「固定給+インセンティブ+業績連動賞与(年2回)」という構成で支払われ、インセンティブは「上限の無い支給」とのことです。実際に同社の有価証券報告書(20年9月期)をのぞいてみると、人件費の内訳は下記の通り。給料手当に対して賞与が3.7倍も支給されていることが分かります。

 給料手当:4億8255.0万円
 賞与:17億9773.6万円
 法定福利費:1億4349.1万円

 同業のストライクのホームページにも、給与について「成果報酬に上限はありません」とあります。M&A仲介業は、この上限なしの成果報酬によって一般的な企業の給与体系の上限を突破するため、ランキング上位の常連になれるというわけです。

2位はキーエンス
推計40歳年収は1782.4万円

 2位も同じく「40歳年収が高い会社ランキング」上位の常連、キーエンス(1782.4万円)です。主に工場の自動化(ファクトリーオートメーション、FA)用機器の制御に使うセンサー機器を扱っています。40歳推計年収で1782.4万円という数字をたたき出しました。

 キーエンスのすごさを端的に表しているのは、その収益力の高さです。

 事業規模を表す「売上高」は、5381億円(21年3月期)と、同業他社と比べてさほど目立ちません。ところが、「本業の稼ぎ=営業利益」が売上高に占める割合を示す「売上高営業利益率」を見ると、キーエンスのケタ違いのすごさが分かります。

 売上高に対していかに利益を稼ぎ出しているかを示す指標ですが、キーエンスの売上高営業利益率はなんと51.4%(同)もあります。企業規模を考えれば、日本企業トップクラスの高水準。この高収益率こそ、高年収の源泉となっているのです。

3位はヒューリック
4位は三菱商事、5位は伊藤忠

 キーエンスに次ぐ3位となったのは、不動産業を手掛けるヒューリック(1712.8万円)。同社は12年7月の昭栄との合併後、12年12月期から直近の20年12月期まで、営業利益・純利益ともに9期連続で増益という実績を上げてきました。

 それとリンクするように「40歳年収が高い会社ランキング」でも下記の通り、順位も推計40歳年収も年々右肩上がりを続けてきました。今回は順位、金額ともにわずかに後退しましたが、それでも1700万円超えの高水準をキープしています。

 17年 10位 1278.1万円
 18年 5位 1416.2万円
 19年 4位 1637.8万円
 20年 2位 1761.6万円
 21年 3位 1712.8万円(今回)

 一方、4~5位に目を移すと、高年収の代名詞である総合商社の2社がランクインしました。

 4位 三菱商事(1659.6万円)
 5位 伊藤忠商事(1613.7万円)

 三菱商事と伊藤忠は近年、業界序列を決める純利益レースで熾烈な争いを繰り広げてきました。そして21年3月期では、伊藤忠が純利益4014億円を稼いで商社業界トップに返り咲き。一方、業界の盟主として君臨し続けた三菱商事は、前期比67.8%減の純利益1726億円となり、業界4位に沈む屈辱を味わいました。

 しかし、このランキングでは僅差で三菱商事が伊藤忠を上回りました。来年は2社の順位に変動があるのか気になるところです。