トヨタ自動車は今週、五輪関連のテレビCMを日本で放映しないことを明らかにした。それは開催国の重い雰囲気を、どのテレビCMよりも大きく伝えるメッセージとなった。トヨタは時価総額で日本最大の企業であり、世界で14社しかない五輪最上位スポンサーでもある。米国向けには、五輪のシンボルマークを入れたスーパーボウルCMに数百万ドルを投じた。しかし日本では、五輪との関連を宣伝することは同社にとってあまりにもデリケートな問題だった。東京五輪は当初予定から1年遅れの23日、新型コロナウイルス感染拡大による東京の緊急事態宣言期間中に開幕する。経済効果への期待はおおかた消え去っている。大会のために70億ドル(約7700億円)余りをかけて建設・改修されたスタジアムやアリーナはほぼ無観客となる。