暗号資産(仮想通貨)の元祖ビットコインの急落で、ビットコインが「インフレヘッジ」になるという擁護派の主張に疑問が生じているようだ。ビットコイン価格は4月中旬以降、半値程度に落ち込んだ。2020年初めの約7000ドル近辺から急騰して一時6万ドルを超えたが、その後は失速。21日午後には3万1864ドルで取引され、米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が個人的にビットコインを保有していると表明したことや、自身の米宇宙開発ベンチャー、スペースXも保有していると述べたことを受け、少しばかり値上がりした。これは皮肉なタイミングだ。ビットコイン擁護派は長年にわたり、ビットコインが金のようなインフレヘッジになると吹聴してきた。その主な根拠は、ビットコインネットワークには2100万枚という発行上限が設けられていることだ。ただ、2009年のビットコイン誕生以来、インフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%をおおむね下回っていたため、彼らの主張はこれまで検証されてこなかった。