米連邦準備制度理事会(FRB)の幹部らは先週、債券買い入れの縮小(テーパリング)に着手する計画を年内に発表する可能性を示唆したが、投資家はほぼ無反応だった。このことは、同様の発表を行って市場を大混乱させた2013年の二の舞いだけは避けたい政策担当者らに安心感を与えた。FRBが次の試練を迎えるのは、テーパリングの開始時期と方法について具体的な計画をまとめる時だろう。FRBは2020年6月から米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を月額1200億ドル(約13兆円)買い入れている。FRB幹部らは景気回復がさらに進むまでこのペースを維持するとしている。債券買い入れは長期債価格を押し上げ、利回りを押し下げることで企業や消費者の借り入れコストを抑える効果がある。