新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の感染拡大が避けられない状況の中、米国人は団結するどころか分裂している。政府当局者によると、新型コロナワクチンの接種資格のある成人のうち、約1億人はまだ接種を受けていない。目下の憂慮すべき流れを変えるためには、彼らに接種を受ける決心をしてもらうことが鍵となる。しかし、多くはいまだにワクチンの必要性を信じようとせず、考えを変えるように懇願する政界の発信者を信用していない。ワクチン義務付けは、マスク着用の義務化に代わる新たな戦線になろうとしている。米国は新型コロナと不信感という、二つの「病」と闘っているという印象を免れない。新型コロナ感染を巡る政治の二極化を前に、この障害を打開するために最も期待できる二つの力とは、民間部門、特にビジネスコミュニティーと、米国人のそれぞれが一番信頼する人と交わす日々の会話かもしれない。そうした力が今後数週間で発揮されるかどうかが、感染拡大の新たな局面がどれだけ困難で長いものになるかを決める鍵となるだろう。