例えば官僚は、政治家とのやりとりを動画ないし、少なくとも音声データとして残した上で、今まで通り要点を文書に残せばいい。

 政治家(例えば大臣)のパワーハラスメントや不適切な発言、過剰な労働の強要などは、言動が全て電子データとして記録に残る形にしておくと問題が起きたときに後から検証可能になる。そして、国民・有権者の「知る権利」にもより適切に応えられるようになる。

FAX廃止の要点は
「取り調べの可視化」と同じ

 こうした記録のデジタル化を推進することは、真面目に仕事をする官僚にとっては自分自身をプロテクトする環境を作ることになり得るはずなので、前向きに考えていいのではないか。真面目で有能な政治家にとってもメリットになるだろう。

 物事の構造は「取り調べの可視化」と同じだ。被疑者への不適切な圧迫も、横暴な政治家の官僚への無理強いも、言動の記録が残るようになれば減るはずだ。正しいことを適切に発言し、自分のポジションを乱用しなければ何の問題もない。むしろ、問題のないことを立証できる点は安心材料のはずだ。

 もちろん、行政を効率化するためにも、より望ましいものにするためにも、FAXの廃止に続いてデジタル化のためにやるべき多くの作業がある。デジタルな行政文書の規格化、データを残すルール、データをやりとりする上でのセキュリティーの確保などが挙げられるだろう。しかし、多くは既に技術的に可能だろうから、適切なリーダーシップの下に早急に実行してほしい。

 河野規制改革大臣と平井デジタル担当大臣の二人、及びこれから発足するデジタル庁に大いに期待したい。

 まずは、霞が関の業務関係にあってFAXを即刻廃止しよう。FAXなしで仕事はできるはずだし、その問題解決が行政のデジタル化を一歩進めるきっかけになるはずだ。