「株式投資に興味があるけど、何から始めればいいの?」ーー。そんな株式投資ビギナーにおすすめしたいのが『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(馬渕磨理子著、ダイヤモンド社)です。全国各地のセミナーで5年間にわたって個人投資家の方々にお伝えしてきた、的中率70%超の堅実な投資法を紹介。「黒字転換2倍株投資術」とは、四半期決算データで営業利益・経常利益が「赤字」から「黒字」に転換するタイミングの銘柄をいち早く見つけて買い、2倍になったら売るというシンプルな方法。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の人にも始めやすい、マイルドな投資法です。本連載は、同書の中からエッセンスを抜き出してお届けします。これから株式投資を始めたい人、もっと勝率を高める方法を探している人、必読です。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

黒字転換2倍株を見極めるために、<br />なぜ、営業利益と経常利益が<br />重要なのか?Photo: Adobe Stock

四半期ごとの決算発表では、「進捗率」が重要

 次に、営業利益と経常利益の進捗率に注目して、黒字転換が継続するかどうかを判断する方法について説明します。

 四半期ごとの決算発表では、営業利益と経常利益の「進捗率」が重要です。ここからさまざまなことが読みとれます。

 進捗率とは、通期の業績予想に対する、四半期ごとの達成率のことです。進捗率を単純に考えると、1年を4分割した四半期で25%ずつ利益を積み増せば、通期予想が達成できる計算になります。

 第1四半期(1Q)で達成率が25%を大きく超えている場合、「会社予想が保守的で今後、上方修正が出るかも」といった読みができます。同じように、第2四半期では50%、第3四半期では75%が目安になります。

 黒字転換した四半期の進捗率が以上の目安となる達成率を上回っている場合、業績が予想を上回る可能性があり、黒字転換も継続する可能性が高いのではないか、と判断します。

 たとえば、日本食品化工の場合、決算短信を見ると2021年3月期の営業利益の見通しは13億円です(下図)。

 第3四半期(3Q)時点で累計営業利益が15億1400万円となっており、進捗率が116.5%となり(3Qであれば75%が目安)、大幅に超えていることがわかります。この進捗率の確認は、マネックス証券であれば該当企業のページに、上図のような表示がされますので一目でわかります(下図)。

 また、日本食品化工の決算短信のように、経営成績(累計)の営業利益と業績予想の営業利益の数字を比較することでも、進捗率が確認できます。

黒字転換2倍株を見極めるために、<br />なぜ、営業利益と経常利益が<br />重要なのか?馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。