東京五輪のアーチェリー男子団体戦で、オーストラリア代表が台湾とシュートオフ(延長戦)にもつれ込んだ際、会場の夢の島公園アーチェリー場内に緊張が走った。場内アナウンサーの興奮した声が伝わる。だが、場内はセミの鳴き声や、時折挿入されるダンス音楽や心臓の鼓動に似せた音に支配されていた。観客の声はない。台湾代表関係者からの声援だけが響いた。ほぼ静寂に包まれる中、オーストラリア代表は母国でプレーしているような安堵(あんど)感を覚えた。知名度の低いスポーツの選手にとって、観客抜きでの試合は当たり前のことだ。「観客席のある試合はあまり思い出せない」。豪アーチェリー代表のベテラン選手、デービッド・バーンズ選手はこう話す。
五輪無観客も問題なし 「地味」な競技は普段通り
母国で試合をしているようだったと話す選手も
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