アンドリュー・クオモ米ニューヨーク州知事の悪事を認定した調査報告書は、セクハラや有害な職場環境の問題について非常に重大な問題を提示している。だが、もっと純粋に政治的な観点から見ると、民主党内でいくつかの広範な変化が起きていることがうかがえる。その変化とは、党内権力構造の変化や新たな優先課題の台頭、そして権力を握っているときでさえ、内部闘争に関わらないでいることは難しい、といったことだ。もしかすると、特に権力を握っているときにこそ、内部闘争に関わらないでいるのは難しいのかもしれないが。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官による同報告書は、クオモ氏が同州の現・元職員にセクハラや不適切な行為をしたとするこれまでの訴えを独立調査が確認し、同氏の行動が好ましくない環境を作り上げたとしている。クオモ氏はそうした訴えを断固否定しており、辞任の意向は示していない。同州の有力民主党議員だけでなく、ジョー・バイデン大統領からも辞任を求める電話を受けたにもかかわらずだ。