世界保健機関(WHO)は4日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)を少なくとも9月末まで先送りするよう求めた。途上国へのワクチン供給不足を補うためとしている。背景には、先進国の間でブースター接種の動きが広がっていることがある。感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」による感染が世界的に広がる中、イスラエルは最もぜい弱な層を対象に3回目のワクチン接種に着手。フランスやドイツも近く開始する意向を示している。米国と英国は、この件について検討しているとしている。WHOは9月末までにすべての国・地域で人口の10%にワクチンを接種する目標を掲げているが、届いていない。先進国は国民100人あたりワクチンを100回投与しているが、途上国ではこれが同1.5回にとどまるという。