任天堂の自社株買いというサプライズは、株価が年初来10%以上下落している中で、日本のゲーム大手の株式を保有する投資家の心を静めるのに役立つはずだ。任天堂は明らかに手元資金が潤沢だが、コロナ禍の巣ごもり消費による追い風が弱まることを踏まえ、今後に向けてより明確なビジョンを打ち出す必要がある。任天堂が5日発表した4-6月期決算は、営業利益が前年同期比17%減、売上高は同10%減となり、いずれもS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのアナリスト予想を下回った。任天堂の減益は、昨年の巣ごもり需要による例外的な業績を考えれば驚くべきことではない。ゲーム機「ニンテンドースイッチ」本体およびゲームソフトの4-6月期の販売数は、前年同期比で減少した。昨年4月に発売された「あつまれ どうぶつの森」は、同社のベストセラーゲームの一つだ。また、ゲーム機の生産と流通において、部品の不足が依然として問題となっている。
自社株買い発表の任天堂、その先は?
精彩欠いた四半期決算の印象を和らげる一方、未来への戦略とはならない
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