アフガニスタンの反政府勢力タリバンが6日、イランとの国境沿いにある南西部ニームルーズ州の州都ザランジを制圧した。米国の駐留軍の撤収に乗じて政府軍への攻勢を強めた以降では初めて。また、タリバンはアフガン政府関係者の暗殺計画も進めており、政府のメディア部門である政府メディア情報センターの責任者を同日殺害した。タリバンはジョー・バイデン米大統領がアフガン駐留軍の撤収計画を発表した4月以降、地方の大部分を支配下に置いている。これまでも州都の一部で政府軍を突破したことはあったが、アフガニスタン情勢においてザランジの陥落は重大な意味を持つ。ソーシャルメディア上で拡散している動画には、タリバンの戦闘員がニームルーズ州知事の公邸周辺をふらついている様子や、押収した高機動多目的装輪車(ハンビー)の上に座っている姿が映っている。現地のある住民は電話取材に対し、タリバンは戦火を交えることなくザランジを制圧したと明らかにした。州知事や政府高官は退避しており、多くは近くのイラン国境に向かったという。その住民は報復を恐れ、名乗ることを拒否した。
タリバン、アフガン要所の州都制圧 米軍撤収後で初
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