中国の巨大テクノロジー企業が苦境に立たされる中、香港ほど苦悩している市場は他にほとんど見当たらない。それでも、新規上場ラッシュはいずれその打撃を和らげる可能性がある。金融中心地である香港は近年、中国の電子商取引大手アリババグループなど中国のオンライン企業を引き寄せ、上場規制の緩和や主要株価指数の見直しを行ってきた。最近まで新規株式公開(IPO)が盛り上がり、主要指数は上昇基調で、ハイテク企業を巡る高揚感が取引を急増させていた。だが、中国政府による一連の引き締め強化は市場心理に冷や水を浴びせている。5日時点でハンセン指数は年初来3.8%安に沈んでいた。対照的に、S&P500種指数は約18%上昇している。大型ハイテク株は急落しており、不確実性とボラティリティー(変動性)は新株発行の足かせとなる可能性が高い。