企業が新しい商品やサービスを世に送り出す際、規模や動向といった市場調査を行い、データを集計・分析するマーケティング調査。市場ニーズを知ることで的確な経営判断につなげるのが狙いだ。
かつては対面やアンケート方式で実施されていたマーケティング調査だが、インターネットの普及により身近で手軽なものになった。
クロス・マーケティングは、このインターネット調査の分野で1000万人という業界最大規模の調査対象者を抱える企業だ。
同社が直接抱える会員数は140万人にすぎないが、残りは4~5社のネット関連企業と提携して集めた。
今、1000万人の数字は大きな意味を持つ。というのも、昔に比べて、マーケティング調査の需要は細分化されつつあるからだ。
1990年代まで、企業が発売する新商品やそれに伴う市場調査は、年齢や属性を問わず、マスを対象にしたものが主流だった。
しかし、今では年代や属性を絞り込んだマーケティング調査を基に、商品化やプランニングをする企業が増えている。
細かい属性を捉えた市場調査となると、100人にヒアリングするためのサンプル数は1万人では不十分で、10万、20万の数が必要になるのだ。
マーケティング調査が細分化しつつある現代において、同社の業界最大規模という調査対象者の数は強みになっている。