『子育てベスト100』には「惣菜を活用する」という項目があって、できあいの食事の活用方法が書かれていますね。現代の忙しいママたちに寄り添ってくれる内容で、嬉しいです。

「コンビニ飯」を使っている親が知るべき3つのこと加藤紀子(かとう・のりこ)
1973年京都市出まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、国際バカロレア、教育分野を中心に「NewsPicks」「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「ダイヤモンド・オンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。膨大な資料と取材から「いま一番子どものためになること」をまとめた『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』が17万部を超える大きな話題となっている。
「コンビニ飯」を使っている親が知るべき3つのこと小川晶子(おがわ・あきこ)
ブックライター、絵本講師
幼い頃から絵本が好きで、幼稚園生の頃の趣味は絵本作り。本と表現に関わる仕事をしたいと、2008年よりフリーのライターになる。『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『プロフィール作成術』(kindle)などの著作を持ち、『読書する人だけがたどりつける場所』(齋藤孝著、SB新書)などベストセラーの制作にも関わる。最新刊『すごい人ほどぶっとんでいた! オタク偉人伝』が注目を集めている。メディア出演、講演実績多数。2人の男の子の母親でもある。SNSでも日々発信中!
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加藤 食事づくりに追われてイライラするより、コンビニご飯を使いながらでも楽しく食事するほうがいいですから。

 いまはコンビニのお惣菜も種類豊富ですし、健康のことも考えてつくられていたりします。上手に使うといいですよ。たとえばヒット商品の「サラダチキン」は、生野菜に乗せれば、ちょっとリッチなサラダにできます。

 私自身は、家族で車で遠出したときの帰り道などにコンビニのご飯をよく利用しました。家に着いてから食事をつくる時間がないので、コンビニで何でも好きなものを買っていいということにしていたんです。車の中でワイワイ言いながら食べたりして、非日常感を楽しんでいました。

小川 毎日だと添加物や油などが気になりますが、特別なときにコンビニご飯を利用するというのはいいですね。

加藤 管理栄養士の牧野直子氏は、「食品添加物の安全性は量で決まるので、毎日同じようなコンビニ食や総菜ばかり大量に食べ続けなければ、過度に心配する必要はありません」と言っています。

 1食のバランスがちょっと悪かったとしても、1日や1週間のトータルでバランスがとれていれば、さほど気にしなくていいということです。

小川 そう言ってもらえると気がラクになります。今日のお昼は揚げ物のお惣菜だったから、夜は油を減らして野菜たっぷりにしよう……などと考えればいいわけですね。

その2:子どもが「自分で買う」ためのコツを教えてあげる

加藤 子ども自身がコンビニでご飯を選ぶ場合には、あらかじめ「主食・主菜・副菜」について教えておくのが大事です。

「主食」はごはんやパンなど糖質が中心のもの。糖質制限が流行っていますが、子どもに糖質制限はよくありません。糖質が不足すると代わりにタンパク質が失われ、体が大きくなるための栄養素が不足してしまいますから、一度の食事におにぎり2つ程度、しっかりとることが大切だと牧野氏は言っています。

「主菜」は肉や魚、卵、大豆製品などタンパク質を多く含むもの。

 それから「副菜」は野菜やきのこ類など、ミネラルや食物繊維を含むものです。

 主食がなくておかずだけになったり、唐揚げとごはんだけになったりしないよう「主食・主菜・副菜」の考え方を伝えておくんです。

小川 なるほど。『子育てベスト100』の中で、子どもの軽食として「サケやたらこ、鶏そぼろなどタンパク質のおかずが入ったおにぎり2つと、野菜の惣菜を1つ」という組み合わせが紹介されていましたね。これはとてもわかりやすいです。

その3:「濃い味」ばかりにならないひと工夫を

加藤 それから、お惣菜で気になるのは濃い味付け。人間の体内の塩分濃度は0.8~0.9%で、これと同じ塩分なら体にもいいしおいしいそうです。

 でも、お惣菜は冷めてもおいしいように濃い目の味付けがされていることが多いんですね。さらに、小学生までの子どもは、大人よりも低い塩分濃度がWHO(世界保健機関)によって推奨されています。コンビニご飯ではどうしても塩分が多くなってしまうので、添付のソースやドレッシングを使う量を半分にしたり、家にある野菜と和えるなどの工夫がほしいところです。

小川 サラダチキンを家にある野菜にのせて一緒に食べるといったやり方なら、よさそうですね。
>>対談次回「子どもに「考える力」をつける3大習慣」に続く