「嫌な出来事もすべて必然」
*以下、ネブラは「私」(著者)のこと
バシャール その嫌な出来事は、「君のあり方」を調律するために必然的に起こったのさ。
ネブラ で、でも、バシャール! アイツは……あっ、すみません。あの人は勝手に私に狙いを定めてやってきたんですよ?
バシャール 君との共同作業で、今回の体験を生んでいるんだ。仕掛ける人がいれば、それを受け取る人がいる。そうじゃないと何も成立しないだろう?
ネブラ あ、はい……。
バシャール じゃあ、こう考えてみよう。その人が君をだましていなかったら、今の君はいなかったはずだね。では、それが起こらなかった自分はどんな自分だったと思う?
ネブラ 今の自分のほうが、だまされる前の自分より数段好きではありますね。何よりも以前の自分ではできないと思っていたことが、自信を持ってできることがわかったし、自分とまったくちがう世界に生きる人にはじめて会えて視野が広がったし……。アイツに会ってなかったら、今の自分になるのにあと何年かかったかわからない……。
バシャール それが答えだよ。「自分のあり方」を調律して、理想の自分に近づくために必然的な出来事だったのさ。だから今君が言ったように、自分をもっと好きになれたのはまさにその人のおかげだよ。
ネブラ それでも、自分が仕組んだなんて考えにくいけど……。
バシャール 厳密に言うと、君が体験したい「理想の現実」があるだろう? その現実にシフトするには、“今までの君”が変わる必要があったんだ。だから、君のハイヤーマインド(高次元の自分)が今回の体験を引き寄せて、君が変わっていける機会を与えてくれたんだよ。君の言うアイツという存在を引っ張ってきてね。だから、君がアイツと共同で創り出しているってことなのさ。
君はアイツを見て何を思った?
ネブラ あんな人間になりたくないって思いました……。
バシャール よろしい。それがアイツから君への贈り物だ。君はそれを受け取って望む自分に一歩近づけたってことなんだ。