欧州の新型コロナウイルスとの闘いは長期かつ緩やかな戦術へと移行している。感染終息を目指してきたドイツ、イタリア、フランスなどはコロナとの共存に備えようとしている。
欧州で感染が拡大してから3度目の冬を前に、各国政府は感染を抑制するための予防接種、マスク着用、頻繁な検査、限定的なソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)などを推進する計画を立てている。
その背景には、社会的な規制に比較的寛容な市民の存在がある。米国ではウイルスの威力が薄れたとの楽観が広がる中、複数の州が早々に規制を解除した。欧州では春から夏にかけて感染者が急増し、コロナ終息に大きな期待が寄せられたことは一度もない。
ドイツはこれまでコロナ関連規制を完全に解除したことがない。同国では今週、感染者数が極めて低い水準を下回らない限り、レストランや病院、その他の屋内施設への入場許可はワクチン接種者や感染症から回復した人、最近のコロナ検査で陰性だった人に限ると発表した。密閉空間や公共交通機関では、ワクチン接種者でもマスク着用が無期限に義務付けられる。
8月に新学期を迎えたベルリンでは、子どもたちが学校内でマスクを着用し、週に数回、コロナ検査を受けている。政府は今週、新型コロナワクチンの接種対象となる子供の家庭向けに、接種を促す通知を送った。