ジョー・バイデン米大統領は14日、アフガニスタン情勢悪化の責任を回避するための声明を発表した。これは、米軍の撤退という状況下で最高司令官たる大統領がとった最も恥ずべき行動の一例として、米国の歴史上、長く記憶される出来事になるはずだ。反政府勢力タリバンがアフガンの首都カブールに迫る中、バイデン氏は米国がアフガンを見捨てたことを確認し、自らの責任を否定して前任者に責任を転嫁し、タリバンによる権力奪取を事実上容認した。この降伏宣言を受けて、アフガン政府軍の最後の抵抗は打ち砕かれた。タリバンの戦闘員はカブールを制圧し、アシュラフ・ガニ大統領はアフガンから脱出。米国は、アフガン在留米国人の脱出支援に奔走することになった。オサマ・ビンラディン容疑者をかくまったとして20年前に米国によって権力の座を追われたジハード(聖戦)主義者らは間もなく、9・11米同時多発テロから20年の節目を迎えるに当たって、在アフガン米大使館に彼らの旗を掲げるだろう。
【社説】バイデン大統領のアフガン降伏と責任回避
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