――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター ***  米政府はアフガニスタンに乗り込んだ初期、イスラム武装組織タリバンを軍事的に制圧できると過信し、アフガニスタン政府とタリバン指導者との折衝を禁じていた。それが昨年には、米政府高官自らがタリバンと直接駆け引きするようになり、協議から排除されたのはアフガン政府という状況になっていた。  この奇妙な外交劇は、アフガニスタンにおける米国の誤算続きの長旅を何より象徴している。それは今や悲劇的であまりにも醜い結末を迎え、米国の外交政策とバイデン政権をこの先しばらく苦悩させることだろう。