米政府はアフガニスタンに乗り込んだ初期、イスラム武装組織タリバンを軍事的に制圧できると過信し、アフガニスタン政府とタリバン指導者との折衝を禁じていた。それが昨年には、米政府高官自らがタリバンと直接駆け引きするようになり、協議から排除されたのはアフガン政府という状況になっていた。この奇妙な外交劇は、アフガニスタンにおける米国の誤算続きの長旅を何より象徴している。それは今や悲劇的であまりにも醜い結末を迎え、米国の外交政策とバイデン政権をこの先しばらく苦悩させることだろう。この苦難の長旅は完全に党派を超えた支持を得ていた。そして最終的に、アフガン撤退は国民に広く支持されていた。振り返ってみれば、米国人がアフガニスタンへの関心を失ったのは、テロの脅威を阻止するという本来の狭い目的に、軍事作戦がなお結びついていることを指導者たちが示し続けられなかったためのようだ。国民が求めていたのは、過激主義に打ち勝つことであって、その可能性を低くするための無期限の駐留ではなかった。米国のリーダーは前者を約束し、後者に備えたことは決してなかった。
米のアフガン失敗、超党派の漂浪
長引いた苦難の米軍駐留、悲劇的な結末に何を学ぶか
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