新型コロナウイルス下の株式市場で、あまり知られていない有機栽培用品サプライヤーがアマゾンやネットフリックスなどの銘柄を上回るパフォーマンスを見せている。大麻関連法を巡る複雑な状況が、その成長を促進し続けるはずだ。米ナスダックに上場しているグロウジェネレーションは、米国内に58店舗の販売網を持ち、土を使わず室内で植物を栽培するのに必要なヒートランプやトレーなどの「水耕栽培」機器を販売している。これらの道具は、流行している有機垂直農法に利用できるものだ。だが、グロウジェネレーションの事業のほとんどは、米大手栽培業者から自家栽培愛好家まで、大麻を栽培する人との取引だ。大麻を合法化する州が増えるとともに、水耕栽培装置の需要は高まっている。コネティカット、ニューメキシコ、バージニア、ニューヨークの各州では、今年に入って成人による大麻使用が認められた。コロナ下で大麻の販売は極めて好調だ。これは、ロックダウン(都市封鎖)中も大麻調剤薬局の営業は認められていたことや、景気刺激策による現金給付で消費者の財布に余分な現金が入ったことが背景だ。今年第2四半期(4~6月)に、グロウジェネレーションの既存店売上高は60%増加した。このような成長は、同社の株価が12カ月で140%上昇し、アナリストによる2022年の収益予想に基づく株価収益率(PER)が52倍となった要因だと考えられる。