米国のストラテジストらは今後しばらくの間、米軍の訓練を受けたアフガニスタンの治安維持軍がなぜ、相対的に戦力が劣るように見えたタリバン側の戦闘員にこれほど簡単に屈したのか、研究することになるだろう。その際に注目すべき1つの場所はパキスタンだ。パキスタンの指導者は16日、北東の隣国であるアフガンが反政府勢力タリバンに奪取されたことを歓迎した。インドのメディアによれば、パキスタンのイムラン・カーン首相は、アフガンの人々が「隷属状態から解放された」と語った。カーン首相は、米軍のアフガン撤退を歓迎したが、パキスタンにおける英語教育について文化面の支配につながるとの批判もしている。米国の安全保障上のパートナーがこのようなことを声に出して言うのは、確かに驚きだ。しかし、こうした感情には驚かない。WSJ「グローバルビュー」欄担当コラムニスト、ウォルター・ラッセル・ミード氏のコラムで指摘しているようにアフガンにおける米国の成否にとって主要な障害は、「タリバンがイスラマバードにいるわれわれの『仲間』から、たゆまぬ支援を受けている」ことだった。タリバンがアフガンの南側の国境を超えた場所に避難先を持っていたことは、タリバンが生きながらえ、最終的に軍事的成功を収める上で、極めて重要だった。