アフガニスタンの反政府勢力タリバンの復権は、外交の勢力図を塗りかえつつある。背景には、アフガン情勢の行方に影響を与えようと、米国や競合国が競い合っていることがある。中国とロシアはすでにタリバンとの関係構築に動いており、米国が駐留軍の撤収を完了する以前から、タリバン幹部と会談を行っている。一方、アントニー・ブリンケン国務長官は、アフガンにおける中ロの影響力拡大を認識した上で、中ロ外相と16日に電話協議を行った。ロシア外務省は、中国やパキスタンも含めて協議を続けることで合意したとの声明を発表。「新たな環境下でアフガン内の包摂的な(インクルーシブな)対話」をどう促進していくか話し合うとしている。ブリンケン氏は同日、パキスタン、トルコ、英国の外相に加え、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)当局者とも電話協議を行った。
アフガン外交で駆け引き、タリバン復権で状況一変
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