中国ではテクノロジー関連株が低迷している一方、国内のスポーツウエア銘柄は躍進している。投資家にとって中国の消費者関連銘柄の選択肢が広がった格好だ。中国のスポーツブランド「李寧(リーニン)」は、同社の創業者である元体操選手の名を冠している。同社株は2018年末以降、983%上昇している。中国国内で「FILA(フィラ)」ブランドを保有する大手スポーツ用品メーカーの安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)の株価も、同期間に4倍余りに跳ね上がった。この分野には短期的な追い風が吹いている。中国政府は今月発表した5カ年国民健身計画の一環として、より多くのフィットネス施設を建設し、運動を奨励すると述べている。中国は2025年にスポーツ産業を5兆元(約84兆円)に成長させる目標を掲げているが、これは2019年の水準から7割の拡大となる。規制に関する懸念が他の多くの分野、特にインターネット産業の見通しを曇らせる中、スポーツウエア銘柄は安全逃避先のようにも見える。