年収1000万円でも再雇用直後の手取り月収は15万!60歳「収入激減」の衝撃Photo:PIXTA

定年退職前は年収1000万円を誇ったのに、再雇用直後の手取り月収が15万円に激減して愕然――。筆者が「60歳の収入ダウンの崖」と呼ぶこの現象は、多くの人に実際に起こり得る話だ。これほどまで収入が激減してしまう「あるカラクリ」を解説するとともに、再雇用後に必ず確認すべき4点セットをお伝えする。「うちの会社は大丈夫!」と根拠なく考えるのが一番危険であることを心に留めてほしい。(ファイナンシャルプランナー、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

「定年直後」は手取りが
20万円未満のケースが多数!

 このところ、仕事上の付き合いがある出版社勤務の編集者が相次いで定年退職を迎えている。再雇用契約で働いている人は、口をそろえて「深田さんがいつも書いている通り、60歳の『収入ダウンの崖』は本当に深かった!」と言う。

 さらに、驚きと不安が入り交じった表情で「定年直後の給与の振込額は15万円ですよ!新入社員よりも少ないなんて!どうやって暮らしていこう…」と会話が続く。

 それを聞き、「15万円?いくら何でも少ないですね。そうか、『定年直後』だから、たくさん引かれているんですよ。今がどん底。もう少しすると、手取り額が増えますよ」と励ました。

 再雇用で働くようになると、ほとんどの人が最初の給与の振込額の少なさに驚愕する。想像よりも少なくなるのは、振込額の計算に「あるカラクリ」があるからだ。みなさんには定年前に絶対知っておいてほしいので解説する。知っておけば驚きと不安は軽減するし、退職金の目減りを防ぐことができる。