人間の営みにおける他の分野と同様に、外交政策でも意図せぬ結果の法則は残酷ながら常に作用するものだ。その法則は目下、バイデン米政権のアフガニスタン撤退を巡る混乱に作用している。直接的な問題は、世界中のテレビ画面に映し出されている。だが、目につきにくいがより長期にわたる、難題の第2波もやってくるだろう。有能な政府や、権威主義国家に対する民主主義国家の優位性などに関する、バイデン氏の中核的な主張の弱まりもその一つだ。ジョー・バイデン大統領の主張で一つ正しいものがある。アフガニスタンで20年間もつれた状況が続いた後では、きちんと簡単に撤退することはそもそもあり得なかった。米国人とアフガン人協力者をもっと早く退避させれば、アフガン政府への信頼が損なわれ、その崩壊可能性がさらに高まっただろう。退避が遅ければ、米軍は途中で再びタリバンの攻撃にさらされ、米国が脱しようとしていた戦闘に再び巻き込まれたことだろう。