米コインベース・グローバルの株価バリュエーションは、暗号資産の人気と普及が向こう数年は拡大する一方だとの見解を前提としている。だが規制当局から近いうちに、そのことについて何かお達しがあるかもしれない。ビットコインをはじめとする民間デジタル通貨の米国最大の取引所を運営するコインベースは、4月の上場で大成功を収めた。初日の終値は328.28ドルとなり、時価総額は850億ドル(約9兆3500億円)に達した。これは、前回の資金調達ラウンドで受けた評価の10倍以上だ。それから程なくして、同社の株価は下落した。相次ぐランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃で、暗号資産が規制当局の標的にされるのではとの懸念が高まり、ビットコイン価格が下落したことなどが原因だった。この記事の執筆時点のコインベースの株価は256.77ドルと、予想利益の31倍で取引されており、まだ特に割安には見えない。ナスダックの予想株価収益率(PER)は26倍、インターコンチネンタル取引所の予想PERは23倍だ。