世界各国が新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の根絶を目指す中、英国では厳重な管理の下、研究室でウイルスを殖やす取り組みが前進している。被験者を人為的にウイルスにさらす試験で、研究室育ちのウイルスが活用されることを期待している。英国では健康な人を意図的に新型コロナウイルスを感染させて新たなワクチンや治療法の開発を目指す「ヒューマンチャレンジ試験」と呼ばれる研究が進められているが、今回の取り組みは同研究の新たな局面といえる。コロナ変異株の分離・培養は英国以外でも行われている。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)によると、米政府が支援する科学者らは研究目的でコロナ変異株を生産しているが、ヒトに使用するためではないという。