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【9月1日は防災の日】「火災除けの神」として広く信仰されている神様は?Photo: Adobe Stock

明智光秀が「本能寺の変」の直前に相談した火の神

【9月1日は防災の日】「火災除けの神」として広く信仰されている神様は?カグツチ
イラスト/朝倉千夏

 日本史上で有名な「本能寺の変」。明智光秀が謀反を起こし、京都の本能寺にいる織田信長を襲撃し、倒します。「本能寺の変」の6日前、光秀は京都市の愛宕山に登り、かねて信仰していた愛宕神社に参拝し、末社の太郎坊社の前でおみくじを何度か引いたとか。

 太郎坊は日本一の大天狗で、「火の神」のカグツチの化身です。愛宕神社の若宮はカグツチをお祭りし、太郎坊大権現と称されました。

 カグツチは、イザナミ・イザナギの子です。火の神であったため生むときにイザナミは火傷し、それがもとでイザナミは死亡。怒ったイザナギは剣でカグツチを斬り殺しました。殺されたカグツチの血からタケミカヅチなど多くの神々が生まれます。

 イザナミとカグツチは三重県熊野市の産田神社に、安産の神として祭られています。

「どこが安産だ!」とツッコミたくなりますが、両神が代わりに災いを背負ってくださるとご理解ください。この産田神社の地でイザナミはカグツチを出産し、さらにこの付近の花窟神社で、イザナミは埋葬されたと伝えられています。花窟神社にもイザナミとカグツチが祭られています。

 カグツチは、生まれてすぐ母を死なせ、父に殺され、ただ絶望するだけで、何もできませんでした(の割に、日本書紀の一書によると、いつの間にか結婚していますが……)。

 だからこそ、そのご利益は、「人生を完全燃焼すること」「精一杯に生き切ること」、そして、安産に限らないさまざまな安全です。家内安全、もちろん火の安全もですね。

 京都市では愛宕神社の「火迺要慎」のお札が有名で、私の実家にも貼られていました。京都のお店にはほとんど貼られていて、一説によると、京都は火事が少ないとも。

 その他、全国の秋葉神社に祭られています。北海道から九州まで千社以上あり、江戸時代に火災除けの神として広く信仰。静岡県浜松市の秋葉山山頂に本宮があります。

【主なご利益】安産祈願、心身健全、家内安全

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*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。