新型コロナウイルス感染をゼロに抑えるため、香港は世界でもとりわけ厳しい隔離規制を導入しており、海外からの到着者はほとんどが3週間もホテルの部屋に閉じ込められる。この戦略は功を奏しているが、香港の実業界からは、経済的コストが高過ぎ、世界有数の金融中心地としての地位を脅かしているとの反発が出ている。住民からも、旅行に行けない、病気の親戚を訪ねることができない、海外の学校や大学から子供を連れて帰ることができないなどの不満が聞かれる。ハリウッドスターのニコール・キッドマンさんが今月、アマゾンのドラマシリーズ撮影のためにオーストラリアから到着した際、隔離しないことを許可する判断が下りたことで、市民の怒りは一段と高まった。当局者は、この番組が市の経済活性化につながると説明した。だが同じ頃、香港政府は米国、フランス、スイスなど15カ国からの到着者に対する規制を強化。そのために多くの旅行者が香港発着の旅行をキャンセルするか、ホテルに宿泊する――もし空室が見つかればだが――費用と時間をかけざるを得なくなった。
香港のコロナ隔離規制、金融ハブの座脅かす
海外からの到着者はホテルで3週間隔離、世界のビジネスリーダーにいら立ち
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