米連邦準備制度理事会(FRB)の幹部らは、「最大雇用」という曖昧(あいまい)な概念をどう定義づけるかについて発言する機会が増えている。この概念は政策金利をいつまでゼロ近辺にとどめるべきかを判断する上で大きな意味を持つ。FRBのジェローム・パウエル議長は27日、カンザスシティー地区連銀が主催した年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、求人件数と離職者数が過去最高に達するほど良好な雇用状況を踏まえると、最大雇用の達成に向けてまだかなり足りない雇用を埋めるのを求職者が後押しするはずだと述べた。「最大雇用」は安定的なインフレ率と整合的な失業率と表現されることが多く、これを判断することはFRBにとって繊細な任務となるだろう。なぜなら、FRB幹部らが前回の景気拡大期を振り返り、当時は雇用状況を過大評価し、利上げを急ぎ過ぎた可能性があると結論付けたからだ。