もし中国がスキャンダルを利用してきたら…

 さて、こういう「国際社会の常識」を踏まえて、今上天皇の姪にあたり、「菊のカーテン」を自由に出入りしていた眞子さまが、皇籍離脱してアメリカで新生活を送るということの意味を考えていただきたい。

 一時金1億3000万円辞退を検討しているくらいだから、日本から何人もの警護を引き連れていくとも思えない。要人の盗聴や工作活動を日常業務でやっている海外諜報機関からすれば、こんなチョロいターゲットはない。

 考えたくはないが、日本と利害が衝突するような国が、眞子さま、小室さんの夫婦への盗聴・監視によって、皇室内のスキャンダルや「不都合な真実」を入手したら――。

 例えば今、西側諸国は、中国の香港民主化運動や、ウイグル族への弾圧を人権侵害だと批判している。日本も遅ればせながら対応に動き、自民党内でも非難決議を出すべきという声が高まっている。しかし、もしそんな時、たとえば「日本の皇室は、今の時代にありえないような女性差別が行われている」なんて話が発覚したらどうか。中国共産党の報道官は、海外メディアの前で、こんな風に吐き捨てるように言うだろう。

「日本政府は、自国の非人道的な天皇制から国際社会の目を背けるために、中国に対してありもしない人権問題を捏造している」

 そんなバカな話を誰も信じないと思うかもしれないが、これまでもこういうスタイルで、日本は何度も「歴史戦」に敗れてきたという動かし難い事実があるのだ。

小室さんの「メーガン妃化」で、皇室の「謝罪会見」も?

 このような構図は、2の『小室さんの「メーガン妃化」』にも当てはまる。公表した長文の反論文を読めば明白だが、小室さんの中には、自分たち母子は、マスコミや世間によっていわれのないバッシングを受けた「被害者」という強い思いがある。

 今のところ眞子さまとの結婚を実現するため、なるべく波風を立てないようにしているが、結婚まで漕ぎ着けて、しかも遠いアメリカで暮らしているとなれば、押さえ込んでいた怒りを一気に爆発させることもありえる。ましてや、「一時金1億3000万」も辞退をするというのなら、宮内庁や皇室に対して、気をつかう理由もない。

 秋篠宮家との関係もこじれてしまうが、もともと良好な関係だったわけでもないし、結婚すれば眞子さまは完全に小室家側についているので、もはや怖いものはない。

 ならば、散々自分をけなしてきたマスコミや世論に反撃をして、「名誉回復」を目指すことだってありえる。また、出版やメディア出演で、積極的に自分たち母子の正当性を訴えていくということだって、やろうと思えばできるはずだ。

 まさしく、メーガン妃である。

 イギリスのロイヤルファミリーが、王室を離れてカナダに移住したメーガン妃の「人種差別告発」で謝罪に追い込まれたように、日本の天皇や皇室が「謝罪会見」を開くなんて悪夢のような話が現実になるかもしれないのだ。