北朝鮮は中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルスワクチン約300万回分の受け取りを拒否し、代わりにコロナ感染が深刻な国に送るよう求めた。北朝鮮が拒否したワクチンは、貧困国へのワクチン分配を目指す国際的な枠組み「コバックス」が最近になって提供を申し出たもの。コバックスのワクチン配布を支援する国連児童基金(ユニセフ)の報道官によると、北朝鮮の保健省は受け取り拒否の理由として、世界的な供給が限られていることや、他の地域で感染者が急増していることを挙げた。北朝鮮はワクチンを「打撃が深刻な国に回す」よう求めたという。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権は世界保健機関(WHO)に対し、国内でコロナ感染が確認された人数はゼロと報告。金氏はウイルス流行を防ぐことは国家の生存に関わる問題との認識を示している。