もちろん、投資の取り組み方についてはさまざまな考え方がありますし、ご自身にしっかりとした信念やこだわりがあってしているのなら、その投資を頑張るということでいいと思います。ですが、そういう人はごくまれで、多くの人は“にわか系”。「とりあえずやればいい」と始めて、しばらくはできている気になっています。ですが、持っている商品は投資信託でもアクティブファンドなどばかりで、急に基準価額が下がり、こんなはずではなかったと落ち込んでしまう……というような方も結構いるのです。

 また、私の著書『はじめての人のための3000円投資生活』を読んだと話す方。その中には「貯金額が増えることだけが楽しみで、投資にそれ以上お金を費やせない」という人もいます。書籍では、少額で投資を始め、投資とはどういうものかが分かってきたら、投資額を増額したり、同時に貯金も頑張ったりして将来の資産を増やしていくと書いています。つまり、金額を増やさない投資ではお金が大きく増え、期待するような資産形成ができない。しかし、そのことに気づいていない方もいるのです。

 投資の正しい知識と取り組み方を、多くの方にきちんと理解していただくことは難しいことだと改めて実感します。