米航空機大手ボーイングの中型旅客機「787ドリームライナー」の納入は少なくとも10月末まで停止される。事情に詳しい関係者らによると、機体検査に関する承認について、同社が規制当局を説得できなかったことが理由だという。787ドリームライナーの全ての納入が1年近く停止する中、航空会社や顧客企業にとっては、これを理由に発注を取り消す余地が拡大する一方、ボーイングから譲歩を引き出すための交渉材料に使う可能性も高まっている。ドリームライナーの納入は当初、米連邦航空局(FAA)と同社が機体製造上の問題についてより詳しい調査を実施したことを受け停止されていた。ボーイングは250億ドル(約2兆7400億円)相当のドリームライナーを納入できずにいる。同社は6月末の時点で受注のうち約100機が納入待ちだとしていた。