【ロンドン】世界の多くの国ではこの1年、人々がワクチンを接種したり、マスクを着用したりして新型コロナウイルスの感染を避けてきた。ところが英国では、臨床試験で四十数人のボランティアが、コロナを鼻から注射器で注入している。  病気やワクチン、治療法を研究することを目的に、健康な人をウイルスやその他の病原体に意図的にさらす「ヒトチャレンジ治験」は新しいものではない。世界中の科学者が何十年も前からそうした治験を利用し、感染症や薬が体内に入った瞬間からどのように作用するかを検証している。  しかし、新型コロナ感染症のチャレンジ治験を進めているのは英国だけだ。